少し先に松明が見えるのだ。

こんばんは。12/23のぽっぽアドベントを担当しますurokogumoです。

adventar.org

adventar.org

adventar.org

あの素敵な企画ぽっぽアドベントカレンダーが帰ってきた!(しかも大幅ボリュームアップ!)ということで今年は12/23を担当します。ちなみに去年はハイローの轟と出会い脳が焼かれた3年間の集大成を書きました。

urokogumoon.hatenablog.com

今読み返しても当時の熱がそのままで様子がおかしい文章なのですが色々な方から感想を頂き大変嬉しかったです。

 

さて今年のテーマは「変わったこと/変わらなかったこと」です。

みなさん触れられている通り、今年はコロナで変わらざるえなかったことが多かったです。私自身は仕事や家族に大きな影響は出なかったものの日々のニュースに落ち込み、今まで以上に現政権に対する怒りがわいた1年でした。自分の魂を温めているものは「不要不急」と言われるものなんだなと思いました。友だちになかなか会えない1年でした。ありがたいことにネット上の交流やオンライン飲み会はあったけど、実際に顔を合わせて会話をする時の筋肉とか友だちと話すときにあけるとっておきの箱のようなものがずっとしまいっぱなしの1年だったと思います。ドラえもん、各家のドアに直結しているコーヒーとクッキーが美味しいカフェを出してよ。また心配なく対面できる日が来るのなら、そのカフェで終電を気にせずたくさん話がしたいんだ。

 

さて、変わらなかったこと。3つあります。

①推しが推しであったこと。

昨年は、ハイローの轟についてのみ書いていたため演じる人、前田公輝さんに触れていませんでした。私はハイローで轟を見るまで、前田さんを知らなかったのですが、演じる轟と違い非常に明るくフレンドリーでお喋りが上手な前田さんを見て「俳優ってすごいな」と何度目かの言葉を呟く日々です。ザワ公開以降、雑誌掲載やメディア出演も増え供給が激しく嬉しい限りなのですが特に2020年素晴らしかったのは写真集の発売!

前田公輝 ファースト写真集 『 Bright 』


歴代の推したちで写真集のようなものがなかったわけではないのですが、アート傾向が強く、ブレとか手のアップとか一番かわいい写真が小さいとか「アートだから」と当時は飲み込んでいました。前田さんの写真集は果たしてどんな内容か少し不安もありつつ楽しみにしていましたが!これが!まじで!素敵だった!元々自身のチャームを把握・研究されている人だなと思っていたのですが、自分と求められている自分のバランスをとりつつ、長い芸能生活を一山越えた肩の力の抜けた感じが絶妙で。写真集は恋人目線のものが多いのかな?となんとなくイメージしていたのですが、前田さんの写真集は馴染みの場所を巡るものでリラックスした表情が多く、淡いストーリーが心地よい写真集でした(インタビューも読み応えあり)あまりの良さに友だちと緊急オンライン会合を開催。約4時間白熱しました。白黒写真がとても映える人だと思ったので、第二弾はモノクロや雪景色、大きな動物といる写真が見たいです。京劇メイクも。よろしくお願いします。あと別件で林遣都の邪悪なイマジナリーフレンドを前田さん(金髪)が演じるドラマが見たいです。よろしくお願いします。

 

写真集の話から時をさかのぼるのですが、ザワ公開より前に『青の帰り道』(藤井道人監督)の監督とゲストによるトークイベントがあり、前田さんを生で見る機会がありました。前田さんは映画には出演されていないのですが、監督の過去作『悪魔』に出演しています(こちらもすごく面白かったです。大野いとの怪演)『青の帰り道』は非常にヒリヒリした内容で、なりたかった自分になれなかった若者たちの話なのですが、見終わる頃には心がぐちゃぐちゃになっていて、そんな時に監督と前田さんが出てきたので心が追いつきませんでした。前田さんが過去に出演した『悪魔』の現場の話を交えつつ『青の帰り道』の演出や俳優について「そこ聞きたかった!」と思うポイントを質問されていて推しに会えた以上に映画トークイベントとしてめちゃくちゃ良かったなぁとしみじみ思いました。前田さんも話していましたが本作は工藤夕貴が特に素晴らしく、娘役の清水くるみとのシーンの何気ないセリフなど忘れがたいシーンが多かったです。

 

2020年ハイローはNetflix配信がスタート!新作は『6 from HiGH&LOW THE WORST』のみでこちらには轟は出演していないため、今年は供給はありませんでしたが2019年にもらったものがあるので心穏やかに年を越せると思ったらまさかの「轟の趣味は海釣り」という情報がドラマ内で発覚(By辻芝)勝手に卒業した村山さんを本マグロで殴るのか、辻と芝マンのためにコバンザメを釣ってくるのか、そもそも相手の話を最後まで聞かずに首を狙って蹴りを入れるあの人に魚を待つことができるのか、本当に釣りなのか轟と眠れなくなっています。

 

②おばさんたちが自由に楽しく生きていることそれはシスターたちの希望となる

私は毎日何かしらラジオを聞いているのですが、とりわけ大好きなアトロクについては前回記事にまとめました。

urokogumoon.hatenablog.com

もう1つ好きな番組が『生活は踊る』です。コロナ下で心が不安定な時も『生活は踊る』を聞いていると不思議と心がととのうように感じました。今年の頭からコロナ情報も丁寧にまとめ発信していて緊急事態宣言下では家にいる子どもたちに向け合間合間で「手を洗おうね」と声をかけていたのも忘れられません。ずっと好きな番組でしたが、今年は特に寄り添ってもらえたなと思います。

www.tbsradio.jp

特に相談は踊るのコーナへは本気で悩みを送ろうと文章にまとめたこともあります。結局、アウトプット行為で悩みを客観視するとができ解決に至りましたが、悩みの大小関係なくしっかり受け止めて解きほぐすスーさん&パートナー陣の手腕にいつも感服しています。生活は踊るの好きなところはまたいつかまとめられたらと思うのですが、今回取り上げたいのは10月からスタートしたスピンオフ番組『OVER THE SUN』

open.spotify.com

生活は踊るのジェーン・スーと金曜パートナー(*現在は第5週のパートナー)である堀井美香アナウンサーコンビによる『生活は踊る』よりもざっくばらんな番組なのですが、番組全体がやがて向かう中年女性の世界を松明のように照らすもので、ロールモデルがなく、まるでいないものかのように扱われ、不安しかなかった先の世界から「どっこい元気にやってるからゆっくりおいで」と明るく手を振ってくれるような番組です。同じクラスだったら絶対友達にならなかったけど、中年になって知り合えたから仲良くなったと話すスーミカコンビも最高で、スーさんと知りあう内に堀井さんがフェミニズムに覚醒し「ありがとねー!私あなたに教わらなかったら知らないまま死んでいく女だったわ!」と明るくお礼を言う回もめっちゃ熱かった。堀井さんが葬儀の司会をいつかやろうと思っているという話からスーさんが「じゃあ私が出家するから二人でスクーターで各家に回ろう」と話していて、そんなドラマいつか見たいなぁと思いました。メモリアル司会者と尼さん。得意なことを仕事にしている中年女二人のバディドラマいつか見たい。

 

③やさぐれ魔法少女『保健室のアン・ウニョン先生』

Netflixでこの秋配信スタートした『保健教師アン・ウニョン』 

一見普通の教師の主人公アン・ウニョン。実は人には見えない「ゼリー」が見える。そんな彼女が学校内で起こる不思議な事件を自身の力で解決していくという物語。おもちゃの剣やBB弾銃を使って正体不明のゼリーをぽこぽこと倒す姿ととぼけた劇伴もあいまって、最初は楽しくて不思議なドラマの印象でした。

www.youtube.com

話は変わりますが、私には偏愛している映画が2本あります。『私はゴースト』と『プリデスティネーション』です。

www.youtube.com

www.youtube.com

ドラマと原作を読み終わった後、それらの主人公とアン・ウニョンは重なるように感じました。『私はゴースト』は地縛霊になった幽霊の視点から描かれるホラー、『プリデスティネーション』は残念ながら何から話してもネタバレになるため割愛しますが、この映画を見て私は主演のサラ・スヌークのファンになりました。サラ・スヌークは運命に殴られる役が多いのですが本作は特にそれが際立っています。作品のジャンルこそ違いますが、アン・ウニョンも『私はゴースト』のエミリーも『プリデスティネーション』の 主人公も共通しているのは過酷な運命にあること、そして道の先に望んだものは決してないことを知らされることです。一方で彼女たちがそれでも前進し続けることも共通しています。『私はゴースト』のエミリーは冒頭で促されて呟いた「I am a  ghost.」をラストでは自らはっきり発し、『プリデスティネーション』の主人公はひっそりと発声練習を、アン・ウニョンは同じ運命にある少女の肩から荷をおろし、自分はおもちゃの剣を握る。

 

今年、変わらなかったことは推しが推しであること、ラジオが好きであること、それから信じてきたものをこれからも信じることだったと思います。自分が行く道を正解にするしかない。20代頃、ただ前に進むだけで、周りから目減りさせられるような気持ちに散々なり、時限爆弾を抱えているような苦しさがありました。それらの正体はこれから少しずつ言葉にしていくつもりです。道の先の松明は増えているように感じます。そしていつか自分も松明になるつもりです。どこに行こうともどっこい生きてるぞとかかげるつもりです。

 

さて明日はクリスマス・イヴ!アドベントを担当されるのは、rucoさん、君山さん、犬飼さんです。ではではみなさま良いクリスマスを!