12/3 ぽっぽアドベント

みなさん、初めまして。urokogumoと申します。
はとさんにアドベントカレンダーの企画に誘って頂き、12/3を担当します。


投稿用に前から作りたかったはてなブログを開設しました。 タイトルの「ロマンを買って地球を回す」は私が衝動買いをした時に使うフレーズです。諭吉はfly awayしたけど、 この胸にロマンが残って、経済、すなわち地球を回したんだよ。という意味です。


さて、「私が動かされたもの」です(素敵なテーマですね!)間違いなく『HiGH&LOW THE WORST』の轟洋介です。 今ではすっかりハイロー沼で溺死している私ですが、 ザムをみる直前、2016年夏の自分に言ったら、絶対に信じてもらえないくらい私とLDHには距離がありました。『桐島、部活やめるってよ』で映画部が作った隕石を蹴飛ばすようなタイプの人たちだという偏見すらありました(実際、蹴っている人はヤマト役でお馴染みの鈴木伸之ですが)2016年9月、ザムをはじめて見た時。毎分で襲ってくる「正気かよ」のシーンの連続に頭がたいそうクラクラして、 終盤の回想から回想に入るインセプションな演出には「一体何を見させられているのだろう」と気が遠くなりました。でもド派手なアクション、物量力みなぎるキャラクター大量投下に、心が揺れ始め「これ以上沼、増やすわけにはいかないんで」と手刀を切りながら、最後まで駆け抜けようとしたのですが、ラストシーン付近で村山さんの「山王入れて」発言を聞いたときに思わず心のなかで立ち上がっていました。
「この話の設定2割も理解していないけどそれはないと思う!」

「後ろのメガネの子の気持ちを考えて!」

ドラマも見ていないので、その時は役名もわからなかったのですが、それくらい轟と村山の関係に深いものを感じていました。下は鑑賞直後のツイートです。


いてもたってもいられず、Huluに加入して、1ヶ月の無料期間に鬼邪高校メイン回であるドラマS2E7&E8を見て、デコピンシーンのただならなさの理由を理解して「村山さん、マジで轟の気持ち考えて」状態になって、駆け込みでザムをおかわりして、今に至ります(結局、Huluは解約してない)ザムで脳の一部が焼け落ちて、それから半年間、映画鑑賞に深刻な影響が出ていました。 特にひどかったのは『ハドソン川の奇跡』です。いつも没入して見てしまうクリント・イーストウッド作品なのに、 どうしても遠くから走ってくる集団(幻覚)がちらついていました(『ハドソン川の奇跡』は素晴らしい映画です)ちなみに私は毎年鑑賞した映画全部使ってマッシュアップを作成してるのですが、あからさまにザムおよび轟が贔屓された仕上がりになったのがこの年です。

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続編『HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』の鬼邪高校キービジュアルに轟が不在だった時、会社の非常階段で膝から崩れ、 不在の理由、村山さんによる「全日巻き込まない宣言」はめちゃくちゃ納得できるし、村山さんは大人だと理解しながらも集団のなかで戦う轟が見たかったなぁと残念に思っていました。 鬼邪高校スピンオフ製作が決定されたものの、詳細情報はその後しばらく明かされず 「監督が岩井俊二だったら、轟か関ちゃんが凄惨な死に方する」 「でも桜シーンがめっちゃ綺麗」 「村山さんと轟が海辺に散らばったトランプを追いかけるシーンが見たい」 と微塵も噂がない状態で勝手に妄想して、心配してました(久保監督でよかった)


2019年年明けに『HiGH&LOW THE WORST』公開日が10/4と正式決定され、 「上半期いらねえ」と思わず口走り、少しずつ解禁される情報に気持ちが乱れっぱなし(グラフにでもとっときゃよかった)特に不安だったのは、轟の立ち位置と村山さんとの関係性。 今回はLDH川村壱馬主演となるので、ひょっとして彼が鬼邪高校の頭になるために轟が当て馬のような扱いになるのではと幕張で見る当日まで不安でぐるぐるしていたのですが、もうねザワ最高だった。こんな完璧な形で推しが帰還するなんて思わなかった。満員の東京ドームで一言挨拶できるなら「轟を推してきて良かったです!ありがとうございます!」とマウントに一礼したいし、 団地の前で撮ったキャスト集合写真を玄関にかざりたい(なにも関わっていないけど) 映画の素晴らしさはもちろん、楓士雄含め新キャラクターは最高だったし、関連番宣やら応援上映、中の人たちからのSNSでの供給など、正直実感が周回遅れになるほど特濃の日々すぎて、3年間少ない情報を叩いて伸ばして薄めて生きてきた私は少し噎せています。



元・いじめられっ子だった轟にとって村山は、はじめて轟を敗者にしなかった相手だったと思います。だからこそ追いかけ続けたかった星のような存在で、一方村山さんにとって轟は、自分のなかにある情熱を思い出させた相手で、追いかけられることで心を燃やすことができたんだと思う。玉座は1つしかないため、 二人が横に並べることは永遠になく、村山さんの教えを轟が全て理解したときには村山さんはいないんだろうなと思っていた。

全日巻き込まない宣言が正式にされ、轟は村山に再度、タイマンを挑むけど 今度はデコピンにはとどまらず、徹底的にぶちのめされる。
中盤の河川敷のシーン以降、二人が同じ場所にいる場面はなく、村山さんたちが学校を去るシーンにも轟はいない。

化け物に近づきつつあった二人が、お互いに出会ったことで人間になって、 それぞれを開かれた未来に向かわせたなら、その出会いは紛れもなく特別だったんだと思います。 ラストシーン、村山さんは関と古屋とともに学校から外の世界へ、轟は戦いを通して増えた仲間達のもとへ向かいます。
星は交錯した、一度きり。
それは運命みたいなもので、二度と軌道を交わすことはないかもしれない。 でもお互いに起こったことは、一生に一度のことだったと思う。
だから今度は運命とは関係なく、自力で再会してほしいなと思う。
人間になった二人で。